かみさまに喩える

たのしいだけのオタクがいい。

 

初恋は神風怪盗ジャンヌの名古屋稚空くんだった。テニスの王子様で2次元にどっぷりと浸かり、関ジャニ∞でジャニーズの追いかけ方のイロハを学んだ。物心ついたころからずっと、いろいろなものに盲目的に時間とお金を注ぎ込んできた。自分でもうんざりするほど常に何かを追いかけている人生である。

新卒で入った会社は7ヶ月で体調を崩して辞めた。当時、駅から職場まで自分を励ますために毎日流していたせいで、わたしは今でもWESTさんのWake up!をまともに聞くことができない。エイトのライブで泣きすぎて思いきり声を枯らした翌日に、次の会社の面接を受けた。色々と吹っ切れたことが良かったのか、文句をいいつつ今もまだ同じ場所で働いている。良いことも悪いことも いつでも生活にはジャニーズが即している。

憂鬱な通勤時間はイヤフォンから流れる音楽とラジオで常にちょっと涙が出る。どんな精神状態でもスマイル・エンゲージはわたしをお姫様にしてくれる。だいすきな声を聞いて、踏ん張らなくてはいけないと毎日思う。お昼休憩にはTwitterを開き、あのひとの何気ないつぶやきやリツイートだけでも見れるとうれしくなる。同じ時間を確かに生きているのだと実感する。
頑張るための活力をもらいに行く権利を得るために、頑張って毎日働く。オタクをしていないと、何かにすがっていないと、どうやって日々を過ごしていけばいいのか、歳を重ねていい大人になってもさっぱり分からないままだ。
 
かみさまは多いに越したことはない。同じ夢を見させてほしいけど、あまり方向性や姿勢として望むことは多くない。わたしの理想の延長線上にあるものだけを好き勝手に選び取り、都合よく楽しいことだけを受け取っていたい。できるかぎり、かなしい思いはしたくない。かわいいあのこにはいつでも笑っていてほしいし、しあわせを本気で願っているけれど、それは自分が生きるために、コンテンツとして他人を消費していくことへの罪悪感からなのかもしれない。
 
どうか、どうか、かみさまにおきましては健やかに。あなたが提示してくれるやさしい世界が、ひとつでも多くわたしにも重なりますようにと、今はただ、自分勝手に祈っている。